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Friday, June 10, 2005

北岡和義 ブログ第38回 カラベラ画家・峰丘さんとテキーラを飲む

北岡和義 ブログ第38回です。22~23年前、メキシコの古都・グアダハラの郊外、チャパラという湖畔で出会った画家が峰丘さんです。峰さんの個展が銀座の画廊で開かれているという案内を貰ったので、懐かしくなって会いに行きました。画風は実に個性的、強烈な赤と黄、青の原色を大胆に使って、熱帯の花や深海魚を幻想的に描く、という実にエネルギー溢れたアートです。

アメリカで多くの有名無名の日本人アーチストに出会いましたが、ぼくが一番好きなのがこのメキシコ還りの春陽会会員です。ペソが大暴落した時、ロサンゼルスからメキシコへ往復1万数千円で行けるというので友人と二人でグアダハラの友人を訪ね出会いました。チャパラ湖畔での大いなる邂逅でした。

グアダハラの空港に降りたら郊外のチャパラに住んでいた高校教師あがりの画家・M氏が、なぜかぼくの名刺を持っていて、待ち構えていたのです。その際、自分の家の隣に人間の骸骨ばっかり描いている変わった若い日本人画家がいるから会ってみないか、と誘われ、好奇心という新聞記者魂がむらむらと燃え上がり、チャパラへ行ったのです。バンダナを巻いて登場した髭の男が峰丘(みねおか)さんでした。

骸骨ばかり描いている、というので、根が暗い陰湿な感じの画家をイメージしていたのですが、これが聞くと見るとは大違い。あっけらかんな明るいメキシコの太陽のような陽気な男でした。スペイン語で骸骨を「カラベラ」と言います。峰さんのモチーフはカラベラとスイカの二つだけ。骸骨がギター弾いてマリアッチ歌っている、といったユーモラスな線画を一枚買ってお世話になった知人にプレゼントしたのでした。

そのカラベラ画家と銀座で4年ぶりに会ったのですが、峰さんも50代後半、どっしりと落ち着き、品が出てきたのには驚きました。もうカラベラやスイカはあまり描いていないようで、最近は熱帯の花と深海魚。強烈な原色で描く画風は昔と全く変わらず、郷里のいわき市では名士の一人として環境問題テーマの市民運動にも参加し、リーダシップをとっています。

神田神保町のその名もずばり「カラベラ小劇場」という名のテキーラを飲ませる店で、遅くまで飲み語りました。峰丘(みねおか)、1948年いわき市生まれ。72年、24歳で春陽展、二科展に入選、メキシコ人画家、デービッド・アルファロ・シケロスに魅せられ、74年メキシコに留学、国立メキシコ造形大学で学びました。カラベラ、西瓜、熱帯の花、ピラミッド、砂漠をモチーフに「生と死」の真実を描く実力派のアーチストです。

1985年、メキシコ大地震をきっかけに11年間のメキシコ生活にピリオドを打ち、郷里・いわき市に帰還、創作活動をつづけ、全国各地で個展を開いています。エネルギッシュな画風と明るい人柄でファン多く、2年に1回、銀座の画廊で個展を開いています。峰さん、ログハウスを建てたそうで、近くに温泉もあり、泊まりに来い、と誘われたので必ず行くよ、と約束しました。楽しみです。(2005年6月11日記)

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