北岡和義ブログ23回 名古屋学の権威が語る日本経済
北岡和義ブログ第23回です。5月13日昼、日本人町リトルトーキョーの都ホテルで、ぼくが1976年から主催していますABC昼食会を開き、 名古屋学の権威・岩中祥史氏(写真、エディットハウス代表取締役)の名古屋についての薀蓄を聞きました。実に面白かったのは「不況時になると「名古屋の話をしてくれ」という依頼が殺到するが、好況になるとぴたり来なくなる」という話。ケチ、内
向き、排他的と言われながらなぜいま、名古屋が元気なのか。岩中氏が名著『名古屋学』(新潮文庫)を書いたのは10年前。名古屋は東京、大阪と違って”大いなる田舎”と言われた文化に縁の薄い大都市というイメージでした。ところが日本は”ロースト・ナイティーズ”(失われた90年代)と言われたバブル崩壊後の長く暗い不況の時代、本書は俄然、注目を浴びベスト・セラーに。今も名古屋へ赴任するサラリーマン必読の書としてロングセラーを続けているそうです。
岩中氏は友人のジャーナリストの紹介で10数年前から断続的にお付き合いいただいている編集のプロ。ご本人も原稿書きですが、数年ぶりの再会でした。2003年には『出身県でわかる人の性格』(草思社刊)を上梓、出版1ヶ月で10刷がでるベストセラーに。今や名古屋学の権威として講演に歩き、テレビでコメントし、、県民性解読、地域研究をお得意とする異色のジャーナリストです。
考えてみれば戦後の日本は「東京」だけが元気で、東京の言う事だけが正義で、東京に服従しないと生きてゆけない時代がありました。これまで日本は強大なる中央集権官僚国家でした。言うまでも無く名古屋は信長・秀吉・家康という三大英傑を輩出した地ですが、政権を取ると信長は安土に、秀吉は大阪に、家康は江戸に城を築き、名古屋を棄てて天下を支配しました。
それ以降、名古屋は大いなる田舎に甘んじてきたのです。ところがなぜ今、名古屋なのか。実際に名古屋を研究してみると製造業出荷額は日本一、日本の貿易黒字の6割は愛知県、失業率は全国平均より1ポイント低く、GDPは12.8%高い。2004年の有効求人倍率は年間通じてトップで、サラリーマン世帯の家計健全度も第1位という実力優等県なのです。
そして今や注目の中部国際空港が開港、愛・地球博で世界から人が集まり、名古屋グルメが注目を浴びています。岩中氏は「ケチと言われた名古屋人が”もったいない”という気持ちを大切に生きている。この倹しい生き様が今の時代を刺戟しているのです」と言う。環境保護とか地球に優しく、というキャッチフレーズこそ”もったいない精神”なのです、という岩中氏。これ、この言葉、英語に無いもんね。「ですからぼくは”MOTTAINAI”という言葉を英語にしようと運動したい」う~ん、なるほど。これは面白い。(2005年5月14日記)

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