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Wednesday, April 27, 2005

北岡和義ブログ第9回「国家の罠」政治化する検察

北岡和義ブログ第9回です。4月21日東京・四谷で石川好氏を訪ねた。いまは公立秋田芸術大学学長だが、もともとフリーでアメリカについて書いていた評論家である。自己の青春体験記とも言うべき『ストロベリーロード』で大宅ノンフィクション賞を射止めた。彼の評論は切り口が鋭く、論理展開も巧妙で瞬く間にメディア界の寵児となった。 彼との交遊も4半世紀に及ぶ。ロサンゼルスで出会った最も古い友人の一人である。

25年前、ロサンゼルスの小さな週刊新聞の編集部長をしていたぼくを江戸期の枕本(春本)の複製本を携えて、訪ねてきた。彼の話は抜群に面白く意気投合した。記憶力も天才的で、日系移民史にやたらと詳しい。根っからの野人で不思議な魅力の人格だが、当時はロサンゼルスの西郊、ウエスト・コビーナで日本語の本屋をやっていた。しかしアメリカ社会のど真ん中で日本語の本が売れるはずがない。食えないのでガーデナという家庭を回って庭の芝生を刈り、糊口を凌いでいた。

一時は国会をめざしたことがある。いま、中国やインドの高官に人脈があり視線は中国である。その石川氏が佐藤優著『国家の罠』(新潮社)を読め、と勧めた。”外務省のラスプーチン”と呼ばれた対ロシアの情報屋で、議員を失脚した元内閣官房副長官・鈴木宗男にぴったり寄り添い権勢を誇った。その佐藤が逮捕され、検察に背任罪をでっち上げられていった取調べの過程を実に詳しく、リアルに再現している。

国策捜査という言葉が使われ、検事が政治化している内実を暴露して面白い。そして汚職や違法行為の垣根が低くなってきている時代の変化を検事とのやり取りで書き、国家権力とは何か、外交とは?国益とは?を拘束された囚人の立場から描いて、超一流の読み物となっている。そして日本の官憲がテレビのワイドショーに翻弄される実態を鮮やかに浮かび上がらせている。国家を検察官が動かしている?いつ検察ファッショ化するか、危険だ。マスメディアはそこを衝かない。ご一読を。(2005年4月27日記)

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